ハピネットのCSR > ヒューマンレポート > 3. 企画・制作(映画・音楽)
映画制作をプロデュースする映像制作部に所属しています。以前の当社は既存の映画のビデオ化権を取得して、DVD・Blu-rayの制作・販売を手がけていました。しかし近年は映像配信サービスの進展が著しく、メディアも多様化していることから、これまで培った知識やノウハウを生かして映像制作に本格的に進出しています。
映画プロデューサーである私たち映画制作部員の役割は、映画制作のすべてに携わるものです。映画化に必要な企画立案、原作権取得に始まり、ビジネスプランの策定、脚本制作、監督・スタッフ・キャストの選定、出資会社を募り製作委員会を組成する、スポンサーの獲得、配給や宣伝に関するコントロール業務、契約業務など、多岐に渡ります。企画から完成までに数年を要することも珍しくなく、途中で紆余曲折が生じるなど長いスパンに伴う難しさはありますが、完成した映画がヒットして良い評判を聞くとやはりうれしいですね。
プロデューサーを務めた映画のひとつ『日日是好日』(2018年公開)/
©2018「日日是好日」製作委員会
2018年に公開された映画『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』は、黒木華さん・樹木希林さん主演の茶道教室を舞台にした作品で、1人の女性が現代の茶道を通して成長していく様を描き、数多くの映画賞を受賞しました。当社はこの作品の権利関係の業務を含めたプロデュース全般を担いました。現代の茶道をここまで描いた作品は珍しく、作品を通じて日本の茶道文化を国内外に広く紹介できたと思います。聴覚や視覚に障害のある方にもこの良質な作品を楽しんでいただけるよう、DVDやBlu-rayにバリアフリー字幕を入れ、映像のバリアフリー化にも取り組みました。人の心を動かす、良質なエンタテインメントを、より多くの方に楽しんでもらうために私たちに何ができるのか。そのことを常に考えつつ、これからも優れた映画作品を世に送り出していきたいと考えています。
(株)ハピネット ピクチャーズユニット 映画制作部
金井 隆治
アクション映画などエンタテインメント性の強い作品を手掛けてきた当社にとって、淡々とした静かな物語を特徴とする『日日是好日』のプロデュースは新たなチャレンジでもありました。原作の映画化に向けたプロデュース業務を請け負うためには、まずは社内会議で了承を得なければなりません。そこで私は作品のメインターゲットである女性にアンケート調査を実施し、原作本を読んだ感想を集め、それを企画書に盛り込むことで、この作品の素晴らしさを会議で訴えました。結果、良質な作品を世に送り出せたこと、そして数多くの映画賞を受賞できたことは私自身の誇りです。
映画は食品のように生きていくために必要なものではありませんが、観た人の心を動かし、人の心を豊かにするものだと思います。いつかハピネットの企画作品で、カンヌのパルムドールやアカデミー賞にノミネートされるような邦画作品を作りたいと思っています。