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特集3. グリーンロジスティクスの推進

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ハピネットグループは、気候変動への対応として環境に配慮した事業を推進しています。多くの電力を消費する物流拠点において再生可能エネルギーを導入し、CO₂排出量の削減に取り組み、グリーンロジスティクスを推進しています。

気候変動への対応

近年、猛暑、豪雨などの自然災害が地球規模で頻発し、日本国内でも社会インフラや人々の生活に大きな影響をもたらしています。こうした状況を受け、温室効果ガスの排出量削減に向けた国際的な取り組みが加速しており、各国の積極的な行動が求められています。ハピネットグループは、気候変動問題をハピネットグループが取り組むべき重要な社会課題の一つと捉え、目標を定めて二酸化炭排出量の削減に取り組んでいます。

中期目標(~2030年度) 自社拠点における二酸化炭素排出量50%削減(2013年度比)
長期目標(~2050年度) 自社拠点における二酸化炭素排出量実質ゼロ

物流の消費電力をクリーンに~市川LCに太陽光パネル設置~

ハピネットグループは、二酸化炭素排出量削減に向けた取り組みの一環として、「ハピネット市川ロジスティクスセンター」(以下、市川LC)に太陽光発電を設置し、同年9月からの稼働を目指しています。

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ハピネット市川ロジスティクスセンター

市川LCは2001年に竣工し、20年以上にわたり活用されてきたハピネットグループの主要物流拠点です。当時の最新の物流設備を取り入れ、倉庫全体にコンベアや仕分け装置などの機械設備を導入し、多くのお客さまへ商品を出荷するだけでなく、新規のお取引先さまとの商談時に見学を受け入れ、「ハピネットグループのショーケース」としての役割も担ってきました。しかしながら、多層階かつ大型の機械設備が導入されていること、人が作業するエリアが他拠点に比べて広く、空調台数も数多く設置されていることなどから、ハピネットグループの物流領域で最も多くの電力を使用する拠点となっていました。そこでハピネットグループは、2024年9月の稼働を目標に市川LCの大幅リニューアルを決定し、併せて太陽光発電設備の導入も実施します。

本プロジェクトでは、市川LCの屋上に915枚の太陽光パネルを敷設します。発電容量は359.725kWで、同センターにおける全体電力の15%を賄います。削減されるCO₂排出量は年間150t-CO₂と見込まれ、これは1年間でスギの木約1万7,000本が吸収するCO₂量に相当します※。

グリーン電力を導入した船橋ロジスティクスセンター

またハピネットグループは2023年4月より、市川LCに次ぐ第二の関東の拠点である「ハピネット船橋ロジスティクスセンター」(以下、船橋LC)に、三井不動産株式会社が提供する「グリーン電力提供サービス」を導入しています。当施設で使用する電力を全面グリーン化することで実質的に再生可能エネルギー由来となる電力に切り替えました。

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ハピネット船橋ロジスティクスセンター

グリーン電力提供サービスは、三井不動産が保有・賃貸するオフィスビルなどで使用する電力を、「トラッキング付非化石証書※」の使用によって実質的に再生可能エネルギーとして提供するサービスです。船橋LCは三井不動産が保有・賃貸する物件の一部にテナントとして入居していることから、太陽光パネルなどの設備を自社で設置することが難しい環境下にありましたが、同サービスを導入することで、特別設備の追加なども必要なく、また現場での運用変更なども不要で実質再生可能エネルギーへの切り替えを実現しました。グリーン電力の採用により、年間使用電力約40万kWh、約200t-CO₂のCO₂排出量を削減しています。今後も引き続きグリーン電力を利用し、グリーンロジスティクスを推進していきます。

グリーン電力導入イメージ
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導入後も効果を検証する仕組みへ

大規模な施設・設備を使用している物流において環境配慮を推進できれば、ハピネットグループ全体の環境配慮に大きな影響・効果を与えることができます。導入後の効果についても発電量などを数値で確認できる設備などを導入することによって、データを蓄積し、最大効果を発揮できるよう努めていきます。ハピネットグループの「人々に感動を提供し、夢のある明日をつくる」というグループ理念の下、これまでの商社・卸といった企業活動だけでなく、環境配慮の取り組みで社会に貢献していきます。

担当者の声

L&Sカンパニー (株)ハピネット・ロジスティクスサービス
物流管理チーム 今井謙治

再生可能エネルギーの導入を他の拠点にも

私は本プロジェクトにおいて、主に太陽光発電やクリーン電力導入に向けた業者・物件オーナー会社との調整、契約周りの対応、現場との連携を担当しています。導入の検討にあたり、ハピネットグループの電力使用量の実績などから期待される効果を算出し、コスト・メリットを考慮して導入の価値を検討しました。また導入決定後は、オーナーへの工事申請やリニューアル工事との調整に必要な資料の収集、打ち合わせの設定なども行いました。

太陽光発電の導入にあたり、市川LCの建物構造計算を行った結果、屋根面の強度が十分ではなく、当初の想定よりパネル枚数が載らないことが判明しました。建築から20年以上経っている物件であることも影響しているかもしれませんが、提案業者もこの事態は想定外で、その後、あらゆる方法を検討しましたが、結果的に当初想定していたパネル枚数の約半分で設置することになりました。再度、期待効果などを試算し、投資回収を含めてまだメリットがあることがわかったので導入を継続することになりましたが、本プロジェクトにおいてこの点が一番の難関でした。太陽光発電は稼働してからが本番です。想定通りの効果を得られるよう、稼働後のデータを注視し、業者と連携していきます。

今後も電力関連以外でも物流領域でできる環境配慮の取り組みを検討するとともに、効果の出た取り組みをグループ内で共有し、社会に貢献していきたいと思います。

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今井 謙治