特集4
ハピネットグループは、マテリアリティに掲げる「サプライチェーンにおける環境負荷低減」の実現を目指し、2022年度より、納品時に繰り返し使用できる「折りたたみコンテナ(オリコン)」を導入し、事業活動によって生じるCO₂排出量や廃棄物の削減に取り組んでいます。
環境に配慮したオリコン納品の拡大
ハピネットグループは、納品時に使用する梱包資材や業務活動で発生する備品の使用量削減と有効活用を目指し、継続的な改善・改良を推進しています。物流部門では、段ボールの使用を最小限に抑えるため、2022年度より「折りたたみコンテナ(オリコン)」による納品を推進してきました。
オリコンはプラスチック製のコンテナボックスで、何度も繰り返し使用することができる循環型梱包材です。外部からの圧迫や衝撃に強く、潰れる心配がないことから、緩衝材を使用せずに商品を配送することが可能です。ハピネットグループは、倉庫内で使用していたコンテナを納品に利用し、2022年7月より試験的に大阪近郊エリアの9店舗へオリコンを使用した納品を実施しました。商品の品質・納品時間ともに影響がないことが確認できたことから、2022年11月には47店舗に拡大し、2023年度はさらに600個のオリコンを導入して188店舗まで拡大しました。ハピネットグループが商品を納品する2つのお取引先さまにおける導入率は、関西エリアで70%(前年度37%)、中四国エリアで69%(前年度0%)となっています。
これにより、2023年度の段ボール削減枚数は123,838枚と、前年度比で約33%の削減、梱包時に必要だったテープや緩衝材などの資材の使用量は約13.1%の削減となりました。またCO₂年間排出量はオリコン導入前の2021年では656.44t-CO₂だったのに対し、導入後の2022年では636.74t-CO₂と、約4%の削減となりました。今後もさらにオリコン納品を拡大し、CO₂年間排出量約10%削減を目指していきます。
オリコン納品店舗数が拡大
配送時の積載効率という課題をクリア
オリコン納品の店舗拡大には路線便の運送業者との連携が欠かせません。路線便の運送業者は、ハピネットグループだけでなく他社の商品も運びます。商品がオリコンから飛び出していると荷物を重ねられず、積載効率が下がってしまうことが課題として浮上していました。そこでハピネットグループは、上枠(元々使用していたオリコンの下部をくり抜いたもの)と、オリコンに被せる蓋を導入することで、商品を保護するとともに他社の荷物も重ねられるように改善しました。トラックの積載効率が向上した結果、運送業者の理解を得てオリコン納品の拡大が実現しました。
また、倉庫内の作業においてもこれまで必要だったピッキングや検品、段ボールの組み立て、商品の梱包といった工程が省かれたことで、作業時間の短縮と人件費の削減につながっています。また導入前に比べて商品破損が減少したことから、店舗での開梱作業や廃材処理の必要性が低減し、品出しの効率化にもつながりました。お取引先さまからも、作業効率の向上や環境負荷の軽減に対する好意的なご意見が寄せられています。
引き続き課題の改善を図りながら、オリコン納品エリアのさらなる拡大を図っていきます。そして事業活動によって生じるCO₂排出量や廃棄物の削減に取り組み、持続可能な社会の実現とハピネットグループの事業の発展を目指していきます。
担当者の声
L&Sカンパニー (株)ハピネット・ロジスティクスサービス 東大阪ロジスティクスセンター
運用管理チーム 中原 孝
オリコン納品には外部会社の協力が欠かせない
私の仕事は主に社内外との情報共有・調整です。社内では営業と販売店さまへのオリコン納品の対応の確認や運用方法の調整を行い、イレギュラー発生時の情報の共有・確認を行っています。また、社外では、運送会社とオリコン納品の可否の確認から、オリコン回収などの運用の調整を行っています。
オリコンによる納品が終わると、使用済みのオリコンは運送会社に回収してもらいますが、オリコン導入当時、回収よりも出荷に使用するオリコンの数が多くなり、オリコンの数が足りなくなってしまいそうなときもありました。そんなときは別途オリコンを回収するための便を用意していました。今では追加でオリコンを導入したためその心配は少なくなりましたが、特に繁忙期はオリコンの数量に気を配っています。
オリコン納品を開始した店舗の噂を聞きつけ、自分の店舗もオリコン納品に変えてほしいと希望する店舗があったと聞いています。オリコン納品の取り組みが受け入れられていると感じ、改めてオリコン納品を推進することができて良かったと思います。
オリコン納品は環境問題への取り組みや作業効率化にもつながります。さまざまな点でメリットがあり、良い取り組みだと感じています。今後も店舗拡大を進めることで、さらなる効果を発揮できると期待しています。
オリコン納品は、店舗・運送会社・営業の協力が不可欠です。引き続き本取り組みを理解していただけるよう周囲と調整し、オリコン納品のさらなる拡大を推進していきたいと思います。また、本取り組みに限らず、環境配慮と業務効率化につながる取り組みも引き続き推進していきたいと考えています。